But you are you

ふんわりジャニオタ一年生

二次元オタク兼ハロプロオタクがKis-My-Ft2に落ちた話

「シンメ」という言葉の意味すらあまりよく理解していないド新規の独り言です。

舞祭組を好きだった頃の話

元々ジャニーズに興味はなかった。顔と名前が全員一致するグループはSMAPと嵐だけ。
むしろジャニーズが大好きな同級生が陰キャにとっては天敵で、そこからパブロフの犬のようにジャニーズまで恐れるようになっていた。


そんな中で、「Kis-My-Ft2ではメンバーの扱いに格差があるらしい」と聞いた。なんと、前の3人と後ろの4人では衣装すら違うらしい。そんな後ろの4人をSMAPの中居さんがユニットとしてデビューさせたらしい。「ぶさいく」という、果てしなく不名誉な名前の

初めてその話を聞いて、開いた口が塞がらなかった。それに追い討ちをかけたのが、音楽番組で見かけた『てぃーてぃーてぃーてれっててれてぃてぃてぃ~誰のケツ~』。

地味なスーツ、そこまで綺麗ではない手書きの字幕、「ケツ」に焦点を当てた歌詞と振り、ある意味ずば抜けた歌唱力の青年、奇妙な呪文を唱えて悲鳴を上げられる宮田くん*1……
え、これ、ジャニーズ?と、ひたすら目を点にしていた。だけど、
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ちょっと待って
この体勢で人は歌えるの!?
天才…いや 化け物か……!!

よくよく見てみれば、クッッッッソダサい振り付けは激しい運動量が求められるものだった。それでも4人は真剣にキレッキレに踊っていた。そして、踊りながらも息を切らさずに堂々と歌っていた。

すごいじゃん、舞祭組。


そして、イロモノジャニーズと全力のパフォーマンスを二重の意味で面白がった私は、舞祭組がレギュラー出演している歌番組『UTAGE!』の存在を知り、ほぼ毎週視聴するようになった。
毎回ハモりに失敗する4人。それでも毎回全力で歌って踊る4人。段々上達してきた4人。いつしか舞祭組が歌わされる曲のレベルは成人男性には明らかに歌えないようなものになっていったのに、4人は必死で食らいついていた。

そんな舞祭組は、ダサくて面白いはずなのにかっこよかった。

舞祭組に再燃した話とキスマイに飛び火した話

しかし、残念なことに『UTAGE!』終了を期に舞祭組から遠ざかり、そのまま数年が経過した。今から一緒に当時の私を殴りに行こうかヤーヤーヤーヤーヤーヤヤー
そんなある日、某動画サイトでテレビ番組での『てぃーてぃーてぃーてれって(略)』の映像を見つけた。「放送事故」というタイトル付きの。

「放送事故って言うけどなあ、すごいんだぞ?舞祭組は」と、数年間忘れていた感情を呼び戻して軽い気持ちで見てみる。

なにこれ、超かっこいい。

あの頃思っていた以上に舞祭組がかっこよく見えた。


「かっこよさ」には2つの種類があると思っている。1つは、どんな敵の攻撃を受けても決して膝をつかない無敵のヒーローのようなかっこよさ(ジャニーズのイメージはこっちだった)。もう1つは、何度倒されてボロボロになっても最後には必ず立ち上がるヒーローのようなかっこよさ

トンチキを本気でやり遂げる舞祭組は後者だ。どうやら、舞祭組から離れていた数年間で、この種のかっこよさへの熱が上がってしまったらしい。ついでにその数年間の内に、「舞祭組の顔が良い人」として認識していた二階堂高嗣くんが大胆なイメチェンを図っていた……

勿論、前者の意味で”かっこいい“4人も好きだし、当時のメンバー(特に千賀くん)やファンに複雑な思いがあったと知ったときには「そりゃそうだ」と納得するどころか、何故だか安心した。でも、果てしなく不名誉な名前を付けられた4人は、果てしなく輝いていて、果てしなくかっこよかった。舞祭組は最高のアイドルで、最強のヒーローだ。

余談だけど、「舞祭組」という字を当てたジャニーさんは天才だと思う。歌って踊るから「舞」、エンターテイメント性が表れた「祭」、グループを意味する「組」。「舞」から感じ取れる華やかさと「祭」から感じ取れる賑やかさ。「アイドルとは?」の問いへの答えが漢字3字にほぼ集約されている。
「ブサイク」じゃなくて「舞祭組」。美醜を示す言葉じゃなくて戦士の称号。やっぱり舞祭組ってすごい。



そう言えば、キスマイってどうなったんだろう。前3人のことはほとんど知らない。なんと北山くんと藤ヶ谷くんの見分けがつかない。4人のことだって、「アニメ垢のTLでたまに見かける宮田くん」「師匠だけど料理が上手と噂の横尾くん」「口元をいじられがちなピアノの千賀くん」「顔が良い二階堂くんなんで髪切ってもうたん」くらいの認識だ。

で、調べて出てきたのが、

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どうした


訳の分からんコスプレ7人衆。統一されたダンス。喩えるならプロのお遊戯会。馬鹿馬鹿しくて、だけど間違いなく本気で、キラキラしていて、かっこいい。

キスマイって、“本気のトンチキ”を7人でもやるんだ……


こうして、沼の入り口までのこのことやってきた私は、あらゆるメディアの検索欄に「キスマイ」と打ち込んだ。
そしてわかったのは、Kis-My-Ft2が二次元だということ。

  • 熱くてチャラくてノリが昭和な元サッカー少年が歌もダンスもパフォーマンスも作詞作曲も極めてアイドルのてっぺん目指しちゃうとか、主人公適性が高すぎる。スポーツ漫画の主人公が元々は別のスポーツをやっていたパターン、何度か見たことがあるもん。
  • こんなピュアで天然で天使みたいな子、実在するんだ…… 法律で保護しよう。っていうか最年少がこのキャラ持ってるのやべえ。そしてこういうタイプの末っ子に限ってハイスペック。アニメで1億回くらい見たテンプレじゃん。
  • 王子様系アイドルが家に帰ればアニオタやってるライトノベル、探せば絶対見つかると思う。バラエティーでキスマイを「アニオタのやべえ奴がいるグループ」と思っていた(めっちゃ失礼)のに、いざ蓋を開けてみると宮田くんが一番常識人なんじゃ……?
  • 戦闘力(=歌やダンスのスキル)は低いけどそれ以外のことは何でもできて、歳下メンバーに母のように慕われている。 そして少しずつ戦闘力も上がっていって…… 少年漫画の冒険のパーティーに絶対一人はいるよ、このタイプのキャラクター。
  • 醸し出す美男子オーラ、何でもできそうなクールでセクシーな青年。こういうキャラはちょっと抜けてたり1つ苦手なものがあったりするのが萌えアニメのお約束…… ん?できるやつを装ったバカ?絵?
  • 透明感溢れるルックスから飛び出すマイペースな行動とたまに暴言。かと思えば肝は据わっている。そして、生まれながらのセンターかと思ったら後天的センターだったんだ…… ある日突然世界を守る戦士に任命された少年みたいだ……
  • クソガキ。おバカ。だけど実はメンバー思いでバランサー。だけど照れ屋。バトル漫画のチームの年少キャラじゃん。強化イベントの直後にある中ボス戦で大活躍しそう。え、しかも照れ屋だって……?可愛いな……
  • プライベートで仲がいいわけではない。だけどステージに立った瞬間唯一無二の相棒ーー OPで背中合わせに立って武器持ってても違和感ないな?
  • アラサーがお揃いの服かったとかマジかよ青春胸キュン少女漫画で、メインストーリーの脇で展開される親友との友情物語かな。ズッ友だよ☆
  • ライブで結婚式??????死別????????????はあ???????????
  • 末っ子がわちゃわちゃしてるのかわいい……表情シンクロかわいい……チップとデールプラスルマイナン、ニカ千……かと思えば相棒……萌えるし燃える……


「実はKis-My-Ft2は、アニメの劇中アイドルなんですよ」と言われたら多分信じる。
北山くんと山Pが出会うところから第1話がスタート。アニメのタイトルは『Everybody Go』で、第13話「茶封筒の日」のEDで初めてEverybody Goが流れて見事にタイトルを回収。ハロウィンに女装した回はバズったねえ。最新アルバムのMV撮影でシンガポールに行ったのは劇場版ってことかな。
そう思うほど、濃い“設定”とドラマチックな“ストーリー”に惹き付けられた。

アニメに喩えると言えば、スクリーマーズちゃんも幼児アニメに出てくる相棒の妖精みたいでめちゃくちゃ可愛い。相棒のスクリーマーズに力を借りて、変身アイテム「なかまっち」を使って変身して世界を救う7人組、みたいな。
千賀くんと喧嘩したダンシングソーダが家出する回はちゃめちゃに可愛かったねえ……仲直りできて良かった……(そんな回はない)


最後もやっぱり君

ところで、キスマイと言えば、つんく♂*2が『最後もやっぱり君』という楽曲を提供していた。聴いてみればなんとまあ神曲


私は、つんく♂の歌詞に時々現れる、「人間ってそこまで強くないしそこまで賢くないよね」という少し冷めた価値観が好きだ。それだけで終わるなら悲しいけど、その後に「だけどそこまで弱いわけでも愚かなわけでもないよ」というフォローや「それでも人間は愛すべき素晴らしい存在なんだよ」という肯定が続くのが嬉しい。

『最後もやっぱり君』は、まさにそれだった。

この曲の主人公は、理由も根拠もないのに「君と一緒にいたい」と思うどころか、「未来のことは絶対なんてあり得ない」と分かっているのに「最後も絶対君」と歌ってしまう。賢くはない。しかも、愛する君を見ていて思うことが「人は誰でも寂しい」なのだから、彼自身も寂しさを抱えて生きているのだと思う。
だけど、彼を愚かで弱い人間だとは思えない。だって、「他人と分かり合えないこともある」と認めた上で、自立して生きようとする姿は賢くて強いから。なによりも、ひたすら君への愛を誓う力強さに胸を打たれる。

「最後も絶対君」という言葉には主人公の愚かさも強さも込められているようだ。
「寂しい」という気持ちと「支配されずにしっかり生きていこう」という決意は、コインの裏表のような関係なのかもしれない。

聴けば聴くほど、この曲に人間臭い矛盾が込められていることに気づく。だけど、そんな矛盾を愛おしい愛の形として描いてくれることにも気づく。なんて温かい曲なんだろう。エルオーブイイーラブリーつんく♂

それはそうと、何の脈絡もなく北山くんと藤ヶ谷くんが「あるだろう」と台詞を言い始めたり(北山担・藤ヶ谷担の方々がこの箇所を聴いてどう思われたのか気になって仕方がない)、地球が出てくるタイミングがあまりにも唐突だったりと、トンチキ要素がそれなりにある。おまけにあまりライブ映えしない。
でもコンサートで披露してほしい!ついでにつんく♂にまた曲を書いてほしい!お願いしますエイベックスさん!!

ちょっと足りないところ

私はどうしてキスマイにハマったのか。「二次元っぽいから」「つんく♂が曲提供をしたから」では、ちょっとしっくりこない。

そんな時、中居さんが「(キスマイの好きなところは)ちょっと足りないところ」と言っているのを見つけた。

そうか、これだ……!

にわかが言ったところで説得力はないけど、私はキスマイを完璧なアイドルだとは思っていない。
キスマイはそこまで器用なグループではないだろうし、ポジティブさだけを内包したグループでもないだろう。だけど、だからこそ精一杯前を向き、どんなことにも我武者羅に食らいつく。

たしかにキスマイは完璧ではないけど、完璧でないキスマイだからこそ面白くて愛しくてかっこいい。そこがきっと「二次元っぽい」熱さを深めているのだろう。

そして、『最後もやっぱり君』の「人間は不完全は生き物だけどそれでいいじゃん」という温かい雰囲気も、キスマイに合う。この歌をキスマイが歌ってくれてよかった。

「ちょっと足りない」という言葉は悪口に聴こえるけれど、キスマイにとっての「ちょっと足りないところ」は奥深さで、無限の可能性を秘めた伸びしろだ。トンチキだってこなせるし、最近発売された『FREE HUGS!』のオシャレな楽曲だって表現できるし、勿論王道アイドルにもなれる。次はどこへ向かうんだろう。
Kis-My-Ft2、楽しい!

*1:ジャニーズにとんでもねえアニオタがいるらしいと、4人の中で彼だけは知っていた

*2:ハロオタはつんく♂を信奉しがち