But you are you

ふんわりジャニオタ一年生

舞祭組が大好き(中編)~カッコよくて面白い7人~

彡(゚)(゚)「ほーん、CDTVのキスマイは感謝と応援を込めたメドレーなんか。『Thank youじゃん!』『AAO』辺りの定番曲で明るく楽しいメドレーをお送りしそうやな!」

VTR「お世話になったから」「めっちゃ匂わすじゃんwww」

彡(゚)(゚)「ふぁっ!?」

VTR「『光のシグナル』はお世話になった人と歌った曲」

彡(゚)(゚)「し、私信やんけ……ちょっと前にやたら流行った匂わせ私信やんけ……」

VTR「『負けないで』は隠れた名曲」

彡(゚)(゚)「いやここであの人に向かって『負けないで』はずるいわ……」

ナレーション「そして3曲目は、最も愛が詰まった曲だという」
彡(゚)(゚)「一番?なんやトークの時間は\ガヤガヤガヤガヤ!/
彡(゚)(゚)「嘘やろ!?」

 

平等を強調するKis-My-Ft2が。あの、あの『棚からぼたもち』を歌うだと?

 

2020年3月31日をもって、舞祭組のプロデューサーである中居正広さんがジャニーズ事務所を退所する。いよいよ舞祭組も自然消滅か。そう覚悟を決めていた矢先の出来事だった。

 

【警告】めんどくさい上にただのポエムにつき閲覧非推奨です。そして勿論個人の感想に過ぎません。

 

apricoswell.hatenablog.com

わざわざ上のブログを読んでいただくのも申し訳ないので要約する。そもそもこのシリーズを読みたい人、いる?

  • 幼い頃、私の周りにあった「誰もがキラキラしたジャニーズを好きでカッコいいと思っている」という風潮に付いていけず、そのことがコンプレックスになっていた。
  • そんな中で、“キラキラしたジャニーズ”からかけ離れたジャニーズである舞祭組に出会う。その姿を見て勇気付けられる。
  • しかし、Kis-My-Ft2を好きになったことで、舞祭組が格差の象徴であることや、キスマイのメンバーにとって舞祭組は“祝福”ではなく“呪い”の一面を持っていたことを知る。
  • Kis-My-Ft2を応援したい自分と舞祭組に救われた自分が舞祭組の是非を巡って殴り合い
  • つらたん
  • ぴえん

 

いつしかキスマイが舞祭組に肯定的な言葉を投げ掛けることに懐疑的な目線を向けるようになった。それは、「Kis-My-Ft2に舞祭組は不要」という答えが出た時に、舞祭組に憧れた自分が受けるショックを軽減しておくための準備だった。
――「舞祭組があって良かった」だなんて、所詮リップサービスじゃなかろうか。

――なんで今このタイミングで舞祭組の話を出すの?
――29歳の二階堂くんは「舞祭組もよろしくお願いします」なんて言わなくなるかもね。

今考えるとクソ失礼だな……うちわ20枚ずつ買うね……

 

中居さんが退所したら、いよいよ舞祭組は自然消滅するかもしれない。それは、「7人平等を目指すKis-My-Ft2にとって舞祭組は不要」という答えを突きつけられることと同義かもしれない。そんなことをふんわりと考えていた矢先の『棚からぼたもち』だった。

 

 

泣いた。物理的に。VTRだけで号泣した。自分の嗚咽でメドレー1曲目の『光のシグナル』の冒頭が聴こえなかった。玉森くんごめん。なんか前回のブログでも玉森くんに謝ってた気がする。毎度毎度ごめん。

 

なんだよお前ら…… 今が舞祭組の「呪い」から解き放たれるチャンスなんだぞ!?

なのに、あろうことかKis-My-Ft2はその「呪い」を「愛」と呼んだ。

 

そして『負けないで』の終わりに、横宮ニカ千が消えた。『棚からぼたもち』のVTRが幻覚でなかったことを悟る。

 

見慣れた手書きのテロップ、スーツ、菱形のフォーメーション、ポーズ、暗い髪色、髪の量。聞き慣れた女性の囁き声。

えっ、この4人、めちゃくちゃかっこいい。

 

あれだけごちゃごちゃ言ってたくせに、『棚からぼたもち』をパフォーマンスすると知ると、そして実際に舞祭組を見ると、初めて彼らに出会った頃に一瞬で引き戻されてしまった。

テレビの向こうにいるのは、「可哀想な人」でも「罪悪感を抱く相手」でもなかった。唯一無二の希望だった。眩しい光で私たちを照らしてくれるわけではないけれど、その代わりに私たちと同じ目線に立って背中を押してくれる英雄だった。

 

そうだった。舞祭組が大好きだ。

「いかにもジャニーズ」なキラキラに排斥された舞祭組の姿は、「ジャニーズが好き」という“マジョリティー”に迎合できなかった私にとっての希望だった。ジャニーズに関係ない場面でも彼らに救われてきた。似た立場の誰かにとっても舞祭組が希望になることを願っていた。違う。願っている。今も。

そうだ。舞祭組が大好きだ。

 

キスマイを知る中で、自分が舞祭組に抱いていた感情が分からなくなってしまっていた。だけど、根本は何も変わっていなかった。

 

それと同時に、寂しくなってしまった。

これが最後の舞祭組かもしれないという懸念が浮かぶ。「まあ舞祭組が終わるならその時はその時!ほらメンバーも解放してあげるべきだしさあ、ね?」という自己暗示で自分を無理やり納得させてきたのに。

やだな。舞祭組と別れたくないよ。

 

そんなわけで、舞祭組LOVE魂と寂しさが拮抗して、ついでに二階堂くんがぼたもち食べないバージョンだったのにちょっと落ち込んで(ぼたもち食べる二階堂くん可愛すぎない?早く全日本ぼたもち連盟のイメージキャラクターになってほしい)、千賀くんが倒れる方向間違えかけたのは後でTLで知って、横尾さん歌上手くなったなあとかいう上から目線な感想を抱き、後ろのビジョンに映るMVを見てた。

キラキラしたまえあしに敵わない舞祭組という「いかにも」な構図を見ながら、いやそれでも、だからこそ舞祭組が好きなんだよと再確認していたら、ガヤキタタマという掛け声に乗ってガヤキタタマが現れた。

彡(゚)(゚)「嘘やろ!?」

 

あの、あのKis-My-Ft2が。『棚からぼたもち』を歌って平等を強調するだと?

 

あんなに楽しそうに棚ぼたを踊る人を初めて見た。

体育大会でテンションが上がりすぎたみたいギャルみたいな藤ヶ谷くん、お遊戯会でテンションが上がりすぎた園児みたいな玉森くん、滑車回しでテンションが上がりすぎたハムスターみたいな北山くん。

舞祭組の対極にいたまえあしが、舞祭組の隣で全力で輝いていた。「でも俺らいないとお前ら輝けない」の意味をようやく理解した。そして逆もまた然り。あんなにかっこよかった舞祭組が、まえあしの隣で今までの比じゃないくらいかっこよく輝いていた。

えっ、この7人、めちゃくちゃかっこいい。

 

 

「カッコよくて面白い7人」。メンバー発信のそんな言葉を度々耳にしてきた。

(「カッコよくて」が「キラキラしたジャニーズっ"ぽさ"」を指し、「面白い」が「キラキラしてないけど全力」を指すものと仮定して)いつか、「カッコいい7人」になるのだと思っていた。ミューコロのアレも女装のアレもバラエティでのあれやこれも、いつかただの黒歴史になるかもしれない。

「カッコよさを求める客」と「面白さを求める客」のどちらが多いかと聞かれれば、前者だと思う。それならば、前者を狙ったビジネスの方がいいに決まってる。

もっと言えば、彼らにとってどちらが望ましいのだろうか?「バラエティーは仮の姿、真のキスマイはカッコつける」みたいな煽り文を見ることもある。(*`∀´*)カッコつけたくなかったらこの事務所入ってないってぇ~(照れ照れ)(かわいい)(天嗣)

なのに彼らは「面白い」を選択した。違う、「面白い」“も”選択した。そして格差をなくすために舞祭組をなくす選択をしなかった。

 Kis-My-Ft2は舞祭組を呪いにする代わりに、ゴールの一つにしてくれた。

 

「キラキラしたカッコよさが好き」という“普通”に溶け込めない人は、これから先も現れるだろう。それ以外の色々な“普通”に排斥される人も、強く生きる方法を模索する人も。未来の私も含めて。*1

そんな人たちの希望になり得るのは、きっとこの7人だ。

 

ファンを通り越して最早信者と言えるくらい陶酔していた舞祭組。生まれて初めて自分を肯定してくれたような気がしたアイドル舞祭組。世界で一番かっこいいアイドル舞祭組。

そんな舞祭組が7人になった。

 

 

 

〈あとがき〉

 

舞祭組が『Fire&Lightning』の衣装を着ていたらしい。

 

「中編」と名付けた時点でお察しだけど、やっぱり舞祭組村はまだ見られていない。申し訳ないけど、やっぱり「Kis-My-Ft2の呪い」としての舞祭組を直視する勇気は未だに持てない。

そして、私は舞祭組村を舞祭組が「面白い」の呪縛から解き放たれたコンサートだと思っている。それは、「貧しくても幸せに暮らす主人公を描いた絵本の結末が、主人公が富豪と仲良くなって巨額の富を手に入れたというものだった」「主人公が体格のハンデを抱えながらも自分なりに活躍するスポーツ漫画の最終回で主人公が理想の体格を手に入れた」ように映ってしまう。『Fire&Lightning』は舞祭組村のそんな側面を象徴していると言っても過言ではない。いや見てないのにごちゃごちゃ言うのもアレだけど。

 

だけど、そんな『Fire&Lightning』の衣装があの日は何故だか嬉しかった。

舞祭組は『光のシグナル』でも『負けないで』でもカッコつけてた。舞祭組が「面白い」をやめた衣装でカッコつけてた。

だけど、『棚からぼたもち』では、まえあしが「カッコいい」を象徴する衣装で「カッコいい」を封印し、舞祭組がスーツで「面白い」に挑んでいた。

「カッコいい」衣装でカッコいいことをやる4人、「面白い」衣装で面白いことをやる4人、「カッコいい」衣装で面白いことをやる3人。

「カッコよくて面白い7人」がそこにいた。「カッコいい7人で面白い7人」ではなかった。「カッコいい」と「面白い」という二律背反を、最高の形で7人は両立させた。

だから『Fire&Lightning』の衣装が嬉しかったんだろうな。

 

〈あとがきのおまけ〉

小見出し川島如恵留くんのブログみたいになってきたな。

 

松任谷由実さんの『春よ、来い』が好きだ。この曲の特に2番を聴く度に舞祭組のことを思い浮かべてた。そういえば当の舞祭組がこれ歌ってたよね。ニカちゃんの歌い出しが良すぎたやつ。

君に預けし 我が心は 今でも返事を待っています

どれほど月日が流れても ずっと ずっと待っています

それは それは 明日を越えて いつか いつかきっと届く

春よ まだ見ぬ春 迷い立ち止まるとき

夢をくれし君の 眼差しが肩を抱く

ごめん。この曲くらい舞祭組との再会に強い希望を持てた自信はない。

夢をくれし君からの返事が届いた。春が来た。

*1:もちろんカッコいいキスマイも大好きだよ!さいこうじゃすひでぃーっ!